福知山線事故③~事故原因は…~

事故原因はさまざまな要因が関係しているとされ、
いまも完全な解明にはいたっていない状況。

航空・鉄道事故調査委員会によるこれまでの調査で、事故車両は脱線時、115キロ前後で走行していた可能性が高く
速度超過が事故の主原因と断定された。
 
一方、現場カーブの入り口から約50メートルにある信号機に、
先頭車両の左右両輪が接地した状態で通過したことを示す記録が残されていたことも判明。
先頭車両はこの信号機付近から約30メートル「片輪走行」した後、
2両目とともに進行方向左側に転覆したとみられる。

また、事故直前の約40秒間は運転操作が行われておらず、
運転士に何らかの異変があった可能性が高いとされている。
そのため、県警尼崎東署捜査本部は高見運転士の健康状況などを調べているが、
今のところ、異変をうかがわせる明確な物証は得られていない。
 
列車を安全な速度に自動調整できる新型ATSが現場カーブにあれば
事故は防げたとされているが、新型ATSの設置義務はない。
同社は90年ごろから新型ATSの設置を順次進めていた。
しかし、これ以前に現場で事故はなく、捜査本部は福知山線への未設置をもって、
投資を決定する経営陣の刑法上の責任を問うのは困難だとも判断されている模様。
 
また、運行の遅れを調整できるダイヤの余裕がなかったことも指摘された。
事故を起こした快速は現場手前の伊丹駅で約1分半遅れており、
運転士が、乗務員に懲罰的な再教育を科す「日勤教育」を恐れ、
遅れを取り戻そうと焦ったことが事故の遠因と指摘する声もある。
しかし、運転士の死亡で精神状態の解明が困難なこともあり、
異常運転との因果関係の立証は困難とみられるようだ。
                              [Yahoo!ニュース・読売新聞・神戸新聞より]